Q101★なぜ赤外線がリモコンに使われているか、ということを調べようとして、テレビのリモコンとテレビの間に色々な色の紙や、ビニール、ペットボトル(水を入れたもの)などを置いて調べてみました。赤外線は可視光線と違って反射する方向がばらばらではないのでしょうか? また人間に害がないものですよね? リモコンの前に黒い紙を置くとテレビのスイッチが入らないのは赤外線が黒い紙に吸収されてしまうからですか? 赤外線が反射するものと通り抜けるものにはスイッチが入るということですか?なぜ赤外線がリモコンや自動ドアなどに使うと便利なのかを教えてください。

  
それはね…

赤外線は人間に害がない?
光には波のような性質があり、波の長さ(波長といいます)によって性質が異なります。目にみえる可視光から波長を長くしていくと、目に見えない赤外線・電波になります。赤外線に当ると暖かく感じます。赤外線はコタツやヒーターに使われていて、このような赤外線ならあたっても人体に害はありません(もちろんやけどしない範囲で)。ただし、赤外線を目に投射すると害になる可能性があるのでやめましょう。

赤外線は可視光線と違って反射する方向がばらばらではない?
光を物に当てた時に、物の表面で反射する光の方向がばらばらになりやすいかどうかは、物の表面の荒さによります。たとえば、鏡のように表面がつるつるした物では、反射光はばらばらにはなりにくいですし、逆に、表面がでこぼごしていると、反射光はばらばらになりやすいです。この、つるつる/でこぼこは、むつかしいかもしれませんが、当てた光の波長を大きさの基準にしています。とにかく、赤外線と可視光線でどちらが反射する方向がばらばらになりやすいかは、物の表面のつるつる/でこぼこぐあいによる、としか言えません。

リモコンの前に黒い紙を置くとテレビのスイッチが入らないのは赤外線が黒い紙に吸収されてしまうから?
リモコンから発射された赤外線は、物の表面で、反射する光・吸収される光・透過する光に分かれます。これらの割合は、物の材質・厚みによって変わります。リモコンの前に置く紙の厚みを同じにして色だけを変えて実験してみると、色による違いがわかると思います。テレビのスイッチが入らなくなる物もあると思います。

赤外線を反射する物と透過する物でテレビのスイッチが入るということなのか?
リモコンの赤外線にはテレビを制御(スイッチのオンオフやチャネルの切り替え)する信号が含まれています。テレビには赤外線を受ける部分(受信部)があり、そこに赤外線が届く量が一定以上ならテレビは応答します。ですので、赤外光をよく透過する物なら、テレビのスイッチが入ります。赤外光を反射する物でもスイ ッチが入るのは、反射した光が家の中で反射をくり返して最終的にテレビの赤外線受信部に届いているからだと思います。

なぜ赤外線はリモコンやドアに使うと便利なのか?
インターネットや携帯電話に使われる電波と比べてみましょう。赤外線は電波よりも届く距離が短く、また、送信点から 360 度全方向に飛んでいく電波とは異なりある一定の方向に直進します。これらのために、電波とは違って、同じ波長の複数の赤外線を妨害しあわずに近くで使うことができます。しかし、太陽光が赤外線を含んでいるため、屋外では屋内より不安定になります。

(WG) 2017/07/10