Q109★なすびとキュウリとゴーヤとにんじんとジャガイモの野菜を輪切りにして、コップに水や砂糖水や塩水やサラダ油やお酒をそれぞれ入れて、浮くか・沈むかの実験をしました。なすびとゴーヤだけは、全てに浮きましたが、キュウリはサラダ油だけ沈みました。にんじんは砂糖だけ浮きましたが、ジャガイモは全てで沈みました。どうして、浮いたり、沈んだりするのでしょうか?

  
それはね…

もの(この場合は野菜)が、えきたいの中で浮いたり、沈んだりするのは、ものとえきたいの密度(みつど)が関係しています。もののみつどがえきたいのみつどよりも、小さいときは浮き、大きいときは沈みます。このみつどと浮き沈みについての説明は、Q21, Q25にありますので読んで下さい。
この実験では、えきたいとしてサラダ油、水、お酒、砂糖水、塩水を使われていますが、みつどはサラダ油(1立方センチメートルあたり、だいたい0.9g)、水(1立方センチメートルあたり、だいたい1g)、塩水・砂糖水(1立方センチメートルあたり、1g以上)の順に大きくなっています。ただし、塩水と砂糖水については、入れた塩と砂糖の量などによって順番が決まり、お酒のみつどはアルコールの量やてんかぶつがわからないのでのぞきました。
今回のじっけん結果から、なすびとゴーヤはすべて浮いたので、これらのみつどはサラダ油よりも小さいこと、きゅうりはサラダ油だけで沈んだので、みつどはサラダ油と水のあいだであること、にんじんとじゃがいものみつどは水よりも大きく、じゃがいものみつどはこれらの中で一番大きいこと、がわかります。ただし、野菜の新鮮さや産地などにより、みつどの順番が変わる場合もあるかもしれません。季節や産地を変えて何回か行うと、おもしろいでしょう。
このじっけんで気をつけてほしいことがあります。野菜を輪切りにされていますが、時間とともに切り口から食塩水などのえきたいがしみこむため、だんだんその野菜のみつどが大きくなり、食塩や砂糖を加えても浮かなくなることがあります。野菜は切ったりせずにじっけんを行いましょう。
これに関連して、「裳華房 ポピュラー・サイエンス 262 わくわく子どもかがく実験室 大阪教育大学化学教室編」の第4章に詳しい説明があります。じゃがいもはおよそ1立方センチメートルあたり1.05gと書かれており、水には沈みます。ところが、水に食塩をどんどん加えていくと食塩水の密度がだんだん大きくなり、最後にはじゃがいもが浮き上がります。

(KT) 2006/08/28