Q136★どうして麦茶を凍らすと、なぜ上は濃くて下は薄いのですか?

  
それはね…

麦茶を凍らせて、色を観察したか、実際に飲んでみて、このような現象に気がついたのだと思います。よく観察していると思います。さらに詳しく観察すると、上からだんだんとうすくなっていくのではなく、濃い部分が凍ったものの上のほうと中心部に近いところとにあることに気づくと思います。

 この現象は水の凍り方と深い関係があります。冷蔵庫の製氷室で四角い製氷皿に水を入れて氷を作るとき、凍ったら真ん中が盛り上がっていたことに気づいたことがあると思います。

まず普通の水を凍らせるときのことを考えてみましょう。水は製氷室の中で製氷皿のふちのところから凍り始めます。次に凍るのは表面です。凍りかけの水を見ると表面に氷があるのにその中はまだ水のままになっているのですが、気がついていましたか。さらに冷えていくと中に閉じ込められた水が凍ります。水は氷になると体積が増えます。このとき、膨らんで凍ろうとする水は一番弱い表面部分を破って、火山の噴火のように外に出て凍ります。氷になったときに表面が盛り上がって見えるのはそのためです。

 さて次に問題の麦茶の場合です。麦茶を凍らせるとどのようなことが起るでしょうか。まず、製氷皿に触れている周辺部分と表面が凍り始めます。麦茶の場合、水にお茶の成分が溶けているのですが、最初に凍り始めるのは水です。これは、お茶よりも水のほうが凍りやすいからです。濃くなった麦茶は普通の水が凍ったときと同じように中に閉じ込められます。そして膨張して上へあふれるようにして凍るのです。結果としてうすい部分と濃い部分とができます。

 もう一度凍るところをよく観察してみてください。プラスチックの容器などに麦茶を入れてまわりを塩をふりかけた氷で冷やすと凍っていく様子がよく観察できると思います。できればマイナス10度くらいまで測れる温度計で内部の温度の変化を測りながら調べるとより詳しいことがわかると思います。

(AK) 2007/08/29