Q149★アルミホイルを空気中でくしゃくしゃにして水にうかべると浮き、アルミホイルを水の中でくしゃくしゃにして水にうかべると沈みました。又、アルミホイルを一度水の中につけ空気中でくしゃくしゃにして水にうかべてみると浮くこともでき、沈むこともできます。どうしてですか? それはね… アルミホイルはアルミニウムという金属からできています。アルミニウムは金属の中では軽い金属ですが、同じ体積あたりの重さが水の2.7倍あるので水の中では沈んでしまいます。 では、水に浮くのはなぜでしょう。これには(1)浮力(ふりょく)と(2)表面張力(ひょうめんちょうりょく)が関係しています。 (1) まず、アルミホイルと同じアルミニウムでできている1円玉で考えてみましょう。 1円玉も水の上にそっと置くと浮かべることができます。実際に浮かべてみてその様子をじっくり観察してみてください。1円玉の周りで水面がへこみ、1円玉の表面は水面よりも下にありませんか? 鉄でできた船が水に浮かぶように、1円玉がおしのけた体積の水の重さと同じだけ上向きに力が働きます(これをアルキメデスの原理といって、この上向きの力を浮力と言います)。 (2) 次は表面張力です。水に限らず液体は表面積をできるだけ小さくしようという性質があります。水滴やシャボン玉が丸くなるのもそのためです。水は特にこの力が強いので、1円玉の周りの水が1円玉の上に浸入するのを食い止め、さらに1円玉がおしのける水の体積を増やします。水に洗剤などを入れると、この表面張力が低くなるので、1円玉は沈んでしまいます。 1円玉ではなくアルミホイルを使った場合には他の理由もあると思います。くしゃくしゃにしたアルミホイルを広げると、アルミホイルの表面はでこぼこになっています。この状態で水に浮かべると、でこぼこの間に空気が残っているので、さらに水に浮きやすくなります。だから、1円玉のように水の上にそっと置かなくても簡単に水に浮きます。このようにくしゃくしゃにしたアルミホイルも、水の中につけて空気を全部取り除いてあげると沈むようになります。一度水の中につけ空気中でくしゃくしゃにして水にうかべた場合は、アルミニウムの表面のでこぼこの間に残っている空気の量によって沈んだり浮かんだりするのではないでしょうか。もう一度じっくり観察して、どんなときに沈んでどんなときに浮かぶか調べてみてはどうでしょう。何か面白いことが発見できるかもしれません。 (TO) 2008/07/26 |
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