Q15★乾燥剤(石灰?)に水をかけるとなぜ熱くなるのでしょうか?

  
それはね…

乾燥剤(石灰)に水をかけると熱くなる理由ですが、ここでいう石灰とは、正確に言うと生石灰と呼ばれているものです。これに水をかけると、化学反応が起こり、消石灰という物質に変わります。このとき、たくさんの熱が出てきます。このため、生石灰に水をかけると熱くなります。

化学式から説明することは、中学生や高校生になってから習う内容もありますので、少しむつかしいかもしれませんが、以下説明します。

たとえば、炭が燃える場合を考えましょう。炭は空気中の酸素と呼ばれる物質と反応(これが燃えるということです)して、二酸化炭素という物質に変わります。このとき炭が持っていたエネルギーが熱のかたちで外に放出されます。ですから、炭が燃えると熱くなります。

この化学反応を「化学式」で表すとすると、
  C(炭) + O2(酸素) ->   CO2(二酸化炭素) 
という形になります。

この化学式では熱として放出されるエネルギーがいくらなのか書かれていないので、わかりません。
そこで、どれくらいの熱が出てくるのかについても、式で表す場合があります。これを熱化学方程式といいます。
この熱化学方程式で、炭の燃える反応を書くと
  C(炭) + O2(酸素) =  CO2(二酸化炭素) + 393 kJ
となり、393 kJの熱が出てくることがわかります。

生石灰に水をかけた場合に、消石灰が生成する反応も化学式で書くと、

   CaO(生石灰)  +  H2O(水)  ->    Ca(OH)2 (消石灰)

となり、出てくる熱については書き表されていませんが、これを熱化学法的式で書くと、

   CaO  +  H2O  =  Ca(OH)2 + 65.2 kJ
 
となり、生石灰に水をかけると発熱することがわかります。炭が燃えるときに比べて約6分の1の熱が出ることになります。


(SM) 2004/05/27