Q155★なぜビー玉を通して文字を見ると文字が逆さに見えるのですか?

  
それはね…

ビー玉は球なので、ある側の反対側は必ず同じようにふくらんでいますよね。そして、片側から光を当てると反対側に光が集まります。実は、虫メガネのレンズは、光にとっては、大きな球の一部を切り出して、その反対側も一部を切り出して、それらを貼り合わせたものと同じなんです。虫メガネは近くのものは大きく見えますが、遠くのものは逆さまに見えますよね。ビー玉も虫メガネと同じ1枚のレンズとして働いているので、逆さまに見えます。

でもどうして逆さまにみえるのでしょうか?
文字からはねかえってくる光が目に届くと文字が見えます。今は簡単に説明するために、文字からはねかえってくる光のうち、ビー玉の中心にまっすぐに入ってくる光だけを考えます。その光はビー玉を通っても進む方向が変わらずに目に届きます。ビー玉の中心を通る光だけを考えると、文字の上側の部分からの光は、ビー玉の反対側では下の方に光が行きます。下側の部分は上の方に、右側の部分は左に、左側の部分は右にと光が届くので、ビー玉の反対側では文字は逆さまになります。

ビー玉やレンズはガラスなどの透明な材料でできていますが、光が斜めから入ると、はねかえったり、材料の中で曲がって進む方向が変わったりします。ですので、実際にはレンズの中心を通る光だけではなく、いろいろな方向からの光があります。そのために、すこしぼけて見えたりしています。

カメラのレンズも同じしくみを利用しています。いろいろな形のレンズを何枚も組み合わせて、きれいな写真が撮影できるようにしています。




ふつうに文字を見たとき


ビー玉を通して文字を見たとき


(MS & TO) 2008/08/23