Q157★くぎが食塩水・水・空気・レモン汁・石鹸水のどれで一番さびるかなどを調べています。インターネットで調べたら、レモンはさびおとしに使うという内容がありました。くぎは酸性でさびるという内容もあるのに、レモンはどうしてさびを落とすのでしょうか? 実験をしたところ、レモン汁をしみこませた脱脂綿に置いたくぎは表面がさびてきました。 食塩水・石鹸水・水もさびてきましたが、くぎにさびがつかず脱脂綿に茶色のさびがついています。レモン汁のくぎは脱脂綿にはさびがついていません。どうしてでしょうか?

  
それはね…

さびに関する実験ですが、よく観察できていますね。

鉄でできたくぎがさびるには、水と空気中にふくまれている酸素が必要です。鉄は水と反応して鉄のイオンというものに変わり、さらに酸素と反応して酸化鉄(さんかてつ)という赤茶色のものに変わります。これが「さび」の正体です。

レモンはクエン酸という酸をたくさん含んでいるので、レモンの絞り汁は酸性です。
酸性だと鉄を鉄のイオンにする反応が速くなり、くぎの表面の鉄を少しずつ溶かします。

今回の実験では分かりにくいかもしれませんが、酸性の水にくぎを半分だけつけてみると、水面近くでは酸素がたくさんあるので鉄のイオンが酸素と反応して「さび」がたくさんできますが、水に浸かっているところは「さび」ができていないように見えると思います。これは何も変化していないのではなく、実は水に浸かっているところでも鉄は反応していて、鉄のイオンになりながらすこしずつ溶けていっているのです。

では、レモンはどうしてさびを落とすのでしょうか? それは、レモンなどの酸性の水は鉄を溶かすだけではなく鉄の「さび」も溶かすことができるからです。レモンでさびを落としてもそのままにしているとレモンの酸性ですぐにさびができてしまうので、水できれいに洗ってから乾燥させないといけません。

レモン汁のくぎが脱脂綿にさびがつかないのも、脱脂綿にふくまれている酸性の水によってさびが溶けているからではないでしょうか。

(TO) 2008/08/26