Q165★弟が朝顔の花の汁で布を染めました(薄いピンク色)。その切れ端をもらったので、レモン汁で名前を書いてみました。紅茶にレモン汁を入れると色が薄くなるので、白っぽく色がぬけると思ったのですが、白くならずに、逆にレモン汁で書いた名前は濃くなりました。どうしてですか?

  
それはね…

 朝顔の花にはアントシアニンという色素(物質・物体に色を与える成分)が含まれています。アントシアニンは一種類の物質ではなく、いくつかのよく似た物質をまとめたものであり、このうち朝顔の花に含まれているはペラルゴニジンという物質です。
このペラルゴニジン(アントシアニン)という化学物質は酸性では赤色、中性では紫色、アルカリ性では青色を示すため、溶液の性質によって色が変化します。さらに、この物質は酸性がそれほど強くないときは薄い赤色(ピンク色)を示しますが、酸性が強い場合には濃い赤色になります。
 朝顔の花の汁で染めた布にレモン汁をぬると、レモン汁にはクエン酸という酸が含まれていますので、これをぬった部分は酸性が強くなります。だから、レモン汁で書いた名前は白くならずに色が濃くなったと考えられます。
 一方、紅茶にはテアフラビンというアントシアニンとは異なる色素が含まれており、この物質は酸性にすると逆に色が薄くなります。同じ酸性の溶液を用いても、色が濃くなったり薄くなったりするのは、含まれている色素の種類が違うからです。


(KK) 2009/08/01