Q167★なま卵とゆで卵をいろんな濃さの食塩水に浮かべる実験をしました。すると、同じ卵なのに、なま卵よりもゆで卵のほうが浮きやすい結果になりました。どうしてゆで卵のほうが浮きやすかったのでしょうか。

  
それはね…

卵には気質(きしつ)と呼ばれる空気の部屋があり、古くなるほど部屋が大きくなることが知られています。つまり古い卵ほど、食塩水に浮きやすくなります。

ひょっとすると見たことがあるかもしれませんが、新鮮な生たまごの卵白(しろみ)がうすく白くにごっていることがありますが、これは卵が産みたてのもので、にごっているのは二酸化炭素と呼ばれるガスが入っているからです。このガスは時間が経つにつれて殻の表面にある「気孔(きこう)」という穴から出て行くことも知られています。この殻の表面からは卵の中の水分も蒸発していくことも知られています。この気孔という小さな穴は、卵の殻にとてもたくさんあって(7000から17000個)、この気孔から空気や水分が出て行くのです。従って、気質という空気の部屋が大きくなリ、浮きやすくなるということになります。

さて、ご質問のゆで卵はなぜ浮きやすくなるかということは、上の話から考えると、ゆでて固まっていく途中で、殻の表面から二酸化炭素や水分が蒸発してしまったからではないでしょうか?だから殻の中の空気の割合(部屋の大きさ)が増えて、浮きやすくなったと考えられます。


(KN & MS) 2009/08/16