Q168★(1)ミョウバンや重曹の結晶の実験をしました。ぬるま湯で溶かしてストローをスポイトがわりにし、ガラスの上に、2,3滴たらします。そして、スプーンの背でぬり広げました。そのとき、結晶はできませんでした。(2)熱めのお湯(80度くらい)をコップに注ぎ、これ以上溶けないくらい溶かし、モールを、わりばしにつるしてからその中に入れ、モールをコップの中につけたまま、発泡スチロールの箱の中で、ゆっくり冷まします。このときは、結晶はできました。(1)の時と(2)の時ではどうして結晶ができたりできなかったりするのですか?
それはね…
大きな結晶をつくるには、ミョウバンを溶かした量(溶液の濃度)や温度を下げていくスピードが大切です。
ある温度でこれ以上溶けないほどミョウバンを溶かした状態を飽和状態といいます。溶かす量が少ないと、温度を下げても溶液中にミョウバンが溶けているので、結晶は出てきません。また、飽和状態よりミョウバンを溶かしてあっても、ゆっくりと温度を下げないと、細かく白い粒しか見えないこともあります。ゆっくりと冷ましてあげることで、最初にできた結晶(粒)が大きな結晶に成長します。
こうしたことを考えると、後の実験では、「これ以上溶けないくらい溶かし」、「発泡スチロールの箱の中で、ゆっくり冷まし」たので、しっかりと結晶ができることが理解できるかと思います。また、大きな結晶をつくるには足場のような役目をするものが必要です。(1)のガラスの上にのばした溶液は水が蒸発すれば、ミョウバンは再び固体になりますが、目に見える大きな結晶はできません。一方、(2)では、モールをつるしたため、このモールが足場の役目をするので大きな結晶をつくることができます。
なお、同様の質問が小学生の質問コーナー Q135にあります。ご参考にしてみてください。
(KN) 2009/08/30, (WG) 2017/07/10
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