Q180★氷の溶ける早さの実験をしました。牛乳パックに1デシリットルのいろいろな液体を入れ、その中に氷を入れて、溶ける早さをはかりました。水だけでは4分3秒、塩水は6分24秒、砂糖水は6分38秒、酢は7分55秒、油は22分19秒でした。あたためたりまぜたりしていないのに、どうして溶ける早さがかわるのですか?
それはね…
氷の溶け方は、氷の周りから熱がどのように伝わっていくかによって速さがかわります。
液体の中での氷からの熱の伝わりは、液体自体の熱の伝えやすさ、氷が溶けた水と周りの液体との混じりやすさ、液体内で温度差ができて液体が動く対流などのいろいろな原因でかわり、液体の種類によって熱の伝わりの程度が違うので氷の溶け方がかわります。
今回の実験では、水に何か溶けている液体の場合は、氷が溶けた水が周りの液体に混じることで熱を伝える効果が影響しているのではないでしょうか。周りの液体が水の場合には氷が溶けた水はすぐに混じりますが、塩水や砂糖水の場合はすぐに混ざらないので、氷が溶けた水が液体の表面や氷の周りにたまります。塩水の方が、砂糖水や酢より水が混じりやすいので、塩水の方が熱を伝えやすくなっていると思います。
ただし、この場合には、周りの液体に溶けている塩などの濃度によっても速さが違ってくることにも注意してください。実験として液体に溶かしている塩や砂糖の濃度をかえて実験してみるのもよいと思います。
この際に、液体にインキなどで少し色をつけておくと氷が溶けた水と液体との混ざり方が目に見えてよくわかりますよ。
また、油の場合には、氷が溶けた水は油とは混ざらないですし、油自体が水よりも熱を伝えにくいこともとても遅くなっている原因ではないでしょうか。溶けた水は油よりも重いので下に沈むことで流れができて溶けやすくなることも考えられますが、油は水のようにさらさらしていませんので流れによる熱の伝わりも悪いので遅くなっているのかもしれません。油の中で溶けた水がどのように動いているのか観察すると、塩水などとの違いがわかると思います。
溶けている量などの実験の条件を変えると溶ける速さがかわって順番がかわったりするかも知れません。氷の溶け方や溶けた水がどうなるかなどを観察しながら、さらに容器の上と下の温度を測ったりすると何が順番を決めるかなどがもっとよくわかると思います。
(MS) 2010/08/24
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