Q3★アクエリアスには、塩が入っているのは何故かと父に聞くと人間は、塩がないといきていけないと、いいました。なぜ人間は、塩分がないといきていけないんですか?

  
それはね…

 今,私もアクエリアスを買ってきました。成分表示のところをみてみますと,そのなかにナトリウム,カリウムと書いてあります。これが塩の成分です。塩はいったい私たちの体の中でどういう働きをしているのでしょう。大きく3つの働きをあげることができます。
 そのひとつは,「筋力のもとになっている」ということです。筋肉は膜でおおわれたひとつひとつの細胞からできています。膜の内と外で,ナトリウムやカリウムの濃度が違うと,そこに特別な力が働きます。これを塩の浸透圧パワーといいます。この力にもとづいて,筋肉が動くわけです。ですから,塩が不足すると,たちまち脱力感におそわれ,疲れ易くなってしまいます。
2つめは,「体温をコントロールする」ということです。夏の暑い日は,たくさん汗をかいて発熱体である塩分を外に出すことで体温を下げようとします。逆に寒いと体の中の水分だけを排出して,体内の塩分濃度を高くしようとします。これが冷えるとトイレが近くなるという現象です。ですからこの場合の尿にはほとんど塩分が含まれていません。
3つめは,「情報の伝達を行なっている」ということです。人間のすべての動きは脳からの電気信号(電流)によってコントロールされています。塩がとけた水がよく電気を通すことはご存じかとおもいます。人の体の中で塩分が不足すると電流がよく流れなくなるために情報がうまく伝わらなくなります。そして体調不良ということになってしまします。このような働きをする塩が不足するとまさに命取りともいえる事態になりかねません。

 ちょっと付け加えますと,ナトリウムとかカリウムというふうに書きましたが,正確にいいますとこれらはナトリウムイオンとカリウムイオンになります。塩の働きを考える場合,イオンというものの理解が重要になります。今はイオンについて説明はま だ難しいと思います。中学,高校でまた勉強して下さい。

(KH) 2001/10/15