Q34★本で「炭酸水に塩を入れると泡がたくさん出る」を見ました。いろいろ入れてみると、塩はたくさん出ましたが、砂糖でも出ました。出ないと思った「ビーズ」でも出ました。それはなぜですか? 食塩水や砂糖水を入れるとすこしたってからすごく細かい泡がでました。泡のでかたがちがうのはなぜですか?

  
それはね…

 炭酸水は圧力(あつりょく)をかけて,きたいの二酸化炭素(にさんかたんそ)をたくさん水にとかしたものです。炭酸水が入ったビンのふたをとると,きゅうにに泡がでてくるのは,ふたをとったためにビンの中の圧力が下がり,とけきれなくなった二酸化炭素がきたいになって水から出ていこうとするからです。このときとけきれなくなった二酸化炭素はいちどにきたいになるのではなく,じょじょに泡となって出ていきます。
炭酸水をガラスコップの中へ注いだときに,いったいどのあたりから泡ができ,上まであがっていくかを観察してみて下さい。ほとんどの泡はコップの底や内側の表面でできていると思います。もし冷やした炭酸水を注いだのであれば,ガラスコップの方が温度が高いので,コップの内側の近くにある炭酸水は温度が高くなり,泡がでやすくなっています。また,炭酸水は圧力をかけて二酸化炭素を水にとかしたものです。,ビンから出てきた炭酸水は,その圧力(大気圧)で溶けることができる以上の,二酸化炭素が水の中に入っていることになります。このようなよぶんの二酸化炭素は,何かきっかけがあると,いそいで泡となり空気中へ逃げていこうとしています。そのきっかけとなるものとして,コップ内側の表面にある,目に見えないような小さなキズやよごれなどがあります。また,炭酸水をかき混ぜることもこのようなきっかけになります。
 炭酸水に食塩を入れた場合,食塩の結晶(けっしょう)はすぐにはとけませんので,食塩の小さな結晶一つ一つがちょうど先に述べたガラスのキズのようなはたらきをし,あわの出方が急に増えるのです。これは砂糖のつぶであっても同じですし,ビーズやストローあるいはマドラーなどを入れてもおなじです。
 じっけんにつかった炭酸水,食塩水,砂糖水はおなじ温度だったっでしょうか。もし,冷やした炭酸水に,冷やしていない食塩水や砂糖水を入れたのであれば,炭酸水の温度が高くなるので泡がでやすくなります。また,同じ温度であっても,炭酸水としょくえんすいでは,水の中にとかしてある物質の種類やりょうがちがっています。このような二種類の,成分が異なった水はすぐには混じり合わずに,さかい目を生じ,このさかい目ふきんで水がはげしく動き,かき混ぜたようになります。このような水のうごきも泡を生じるきっかけになります。加えて少したってから泡が生じたのは,このような水の動きがおこるまでに時間が少しいったためだと思います。また,このとき泡はガラスの表面いがいからもでていると思います。


(RN)