Q51★先日の学校でおこなった理科の実験でのことです。リングの中を通すことができた鉄球が、アルコールランプで熱すると通らなくなりました。先生の説明では鉄球が膨張したからとのことですが、金属は熱するとなぜ膨張するのでしょうか。

  
それはね…

固体こたい液体えきたい気体きたいについて理科で勉強しましたか? 液体や気体の鉄というものをそうぞうしにくいかも知れませんが,鉄にも固体の鉄,液体の鉄,そして気体の鉄があります。どのように見えても,鉄は鉄原子という小さくて目に見えないまるつぶがたくさんあつまってできています。気体のとき,鉄の原子は自由にどこへでもとんでいけます。液体になると,あまり自由には動けなくなります。さらに固体ではほとんど動けなくなります。下の図は固体の鉄の中で鉄の原子がどのように動けなくなっているかを示したものです。鉄球も固体の鉄ですが,図の中のAのように小さなはこのようなもの(点線で示しています)を考えると,鉄原子はそのはこの中にぎょうぎよくならび,ほんの少しだけしか動くことができません。ところが温度が高くなると,鉄原子が元気になり,Bのように動く範囲が少し広くなるので,隣り合わせの鉄原子どうしがぶつかるようになります。このようにぶつかるのをさけるために,Cのようにはこが少しだけ大きくなります。これは目に見えない大きさの話しですが,鉄球の中にはこのようなはこが数え切れないほど詰まっていると考えることができます。そのために全体として鉄球が大きくなるのです。これが膨張の正体です。



(RN) 2004/11/30