たいへんむつかしい質問です。いろいろな物質の”危険性”ということについてまずお話しします。私たちの身のまわりにあるすべての物質には”危険性”があります。その”危険性”にもいろいろな種類がありますし，使い方や，使う量（濃いのか薄いのかもふくめてです）などによって”危険性”のていども変わります。そのことを知った上で使うことが大切です。

さて，わりあい身近にある物質で考えてみます。お酢はどの家庭にでもあるありふれた調味料です。このお酢は，主としてさく酸という物質が，およそ5%の割合で水に溶けたものです。お酢は料理に欠かせないもので，場合によっては薄めて飲んだりもします。しかしさく酸には燃えやすい，腐食性が高い，刺激性があるなどの”危険性”があります。また，一度に大量に飲んだりすると中毒になります。しかし，水の中に少しだけさく酸が溶けているお酢になると”危険性”もだいぶ下がり，調味料としてなくてはならないものになっています。それでもお酢が眼に入ったりすると注意しないといけません。すぐに大量の水で眼を洗い，眼医者で治療を受けることが必要です。

また，お父さんが毎日のんでいるかもしれないお酒も，日本酒ならば，一度に大きなびん2本分ものめば，死んでしまうかもしれませんが，少しづつのんでいれば気分もよくなるのですね。もし毎日日本酒を2合飲んでいる人は，死んでしまうかもしれない量の10分の1を毎日飲んでいることになるのですが，だれも気にしませんね。

おたずねの白髪染めについてですが，白髪染に，硫酸銀が入っていることをよくしらべましたね。硫酸銀は劇物（げきぶつ）に指定されており，危険な薬品の一つですが，それほど強い毒性はありません。白髪染に使われている量ならば，注意書きを守って使うかぎり，人に害を与えることはないと判断してもよいでしょう。例えば，手袋をはめてつかう，眼に入ったり飲み込んだりしないよう注意するなどです。

RN)