Q56★どんとやきで火をたき、煙を見て思いました。なぜ 煙は上へあがっていくのですか?

  
それはね…

さて,煙とは何でしょう。どんとやきにかぎってかんがえてみますと,燃やしているのは木や紙ですね。木や紙が燃えると何ができるでしょう。十分に温度が高く,酸素もたっぷりあれば全部が水と二酸化炭素にかわります。この時,水は温度が高いので気体になっています。つまり水蒸気です。したがって,木や紙が燃えてできるはずの水も二酸化炭素も目では見えません。しかし,どんとやきでは煙が見えます。これは何でしょう。木や紙を燃やすとき,燃える部分全体に酸素がじゅうぶんにいきわたっているわけではありません。さらに温度もじゅうぶんに高いとはかぎりません。酸素が不足したり温度が少し低いところでは,木や紙は二酸化炭素にまでかわることができずに細かな炭素のつぶが生じます。実は煙の主成分はこの炭素のつぶなので固体です。ふつうは固体の炭素は空気より重いので,上へあがっていくことはできませんが,火のそばでは空気が熱くなり,まわりの冷たい空気より軽くなるため上へ上へあがるようになります。これを上昇気流といいますが,ちいさな炭素のつぶはこの上昇気流にのってあがっていくことができます。ですから,どんとやきの煙は燃え切らずにできた炭素の小さな粒が,上昇気流で上空へあがっているところを見ていることになります。


RN)