Q100★雪の結晶は何種類くらいありますか?

雪は水H2Oの結晶の一種と言えますので,その結晶構造のは数種類あることが知られています。ただ,質問されている「雪の結晶の種類」とは,この結晶構造(少し難しくなりますが「結晶系」)のことではなく,観察できる「形」の種類ということではないでしょうか?
雪の結晶を虫眼鏡や顕微鏡を使って観察した経験があると思います。六角形を基本にした平板状のさまざまな形が見え,一つとして同じ形がないように思えます。
雪の結晶は水がこおったもので,お家にある冷蔵庫でできる氷や,コンビニエンスストアで売っている氷と中身はまったく同じで,水の分子が規則正しくならんでできています。その時,水の分子のならび方の基本は六角形をつくります。しかし,氷の固まりをこまかく砕いたり,削ったりしてできた氷の粉は,雪の結晶のような形にはなっていません。これは雪の結晶とふつうの氷ではでき方がちがうからです。ふつうの氷は液体の水がこおったもので,前後左右上下すべての方向に水の分子が規則正しくならんでいます。一方,雪の結晶は気体の水,すなわち水蒸気が凍ってできたものです。この時,最初にできた氷のごくごく小さな固まりからある決まった方向にしか水の分子が整列していかないために,平面的な結晶ができるのです。
雪の結晶のあるものは六角形の板状ですが,六本の角を生やした形や,その角にさらに小さな角が生えた形などのさまざまな形があります。形で分類すると6種類程度に分けられるようですが,さまざまな形ができるのは雪の結晶ができるときの温度や湿度の違いによるものです。あるいは,結晶が大きくなっていくときに温度や湿度が変わるとまたちがった形になります。このようなわけでいろいろな形をした雪の結晶を見ることができるのです。一説によると35種類の形があるということです。


(RN) 2005/01/27 - 2019/11/15