Q103★高い温度の水に物質を溶かしてから、その溶液を冷やしていくと結晶ができますが、なぜ物質によって結晶の形が異なるのかを教えてください。 たいへんむつかしいご質問です。物質とは目に見えないほど小さな(1 mmの1千万分の一くらいの大きさです)粒子がたくさんあつまって,目に見える大きさの結晶をつくっています。どのくらいの数かといいますと,1億の1億倍よりも大きい数です。この粒子は物質によって,みなそれぞれ違った形をしていますが,同じ物質の粒子の形は同じです。ですから,結晶とは同じ物質の同じ形をした,ひじょうに小さな粒子が,全部同じ方向を向いて集まってできたものということができます。そのために,物質によって結晶の形が違ってくるのです。 目で見える物体を例に説明します。例えばお家にあると思いますが,CD,乾電池や角砂糖を思いうかべて下さい。大まかにいうとCDは円盤で,乾電池は円筒,角砂糖は立方体です。これらをたくさん集め,向きを揃えて積み上げていきます。この時,それぞれの形によってくずれにくい積み上げ方が違いますね。また,全体としてみたときの形も違うと思います。したがって,物質によって結晶の形が異なることの原因の一端は,このように物質の粒子の形と積み上げかたが異なるからということができます。なお,物質のもとになる粒子は,分子・原子であったり,イオンであったりします。 (RN) 2005/02/02 |