Q114★学校で化学平衡の平衡移動を習いましたが、圧力変化に対する平衡移動がわかりません。学校では圧力については、加圧したとき総物質量が大きい方から小さい方に移動すると教えられ、また両辺の総物質量が等しい場合は移動はないと言われました。しかし、このことだけでは解けない問題が出てきました。 < C + CO2 = 2CO + ?Kj > この場合、総物質量は左辺は2で右辺も2となり等しいので、加圧しても移動は起こらないと思ったのですが、答えを見てみると左へ移動するとありました。どうしてこのようなことが起きるのでしょうか。


これは、ルシャトリエの原理に関する質問です。この原理は、「化学反応が平衡にあるときに、圧力・温度などの条件を変化させると、その変化をやわらげる方向に反応が進行し、新しい平衡状態になる。」というものです。これを、気体同士の反応の平衡に適用すると、圧力を上げる(加圧する)と、気体全体の総物質量が減少し圧力が下がる方向に反応は進行するということになります。質問の炭素と二酸化炭素から一酸化炭素ができる反応では、炭素は固体なので、増えても減っても圧力とは関係がありません。関係があるのは、二酸化炭素と一酸化炭素の物質量だけになります。反応が右へ進行すると、1分子の二酸化炭素が2分子の一酸化炭素になるので、物質量が増え圧力が増加します。そこで、加圧すると、反応は逆に右から左へ進行して、圧力を下げるような方向に行くことになります。
 式の両辺の総物質量を単純に比較するのではなく、気体の部分の総物質量を比較することがポイントです。


(TM) 2005/07/05