Q132★オキシドールをすりおろした人参など色々なものにかけて、様子を観察し、その共通点でどういうものにオキシドールは反応するかを調べました。ただ、この反応は化合の実験なのか酸化の実験なのかわからなくなっていました。またこの実験で何が学べるのでしょうか?


 オキシドールとすり下ろした人参などいろいろなものとの反応を調べるという実験は、何の実験で、どのような意味があるかということですね。
 オキシドールは過酸化水素が水に溶けているものです。過酸化水素は、酸素と関係の深い物質で、生物の体の中でもできてしまうのですが、非常に有害です。そこで、過酸化水素を分解する酵素(カタラーゼ)を動物も植物ももっています。傷口にオキシドールを塗ると泡がでるのは、このカタラーゼによって過酸化水素が分解して酸素ができてくるためです。
 植物も種類によってカタラーゼをたくさんもっているものやそうでないものがあるので、オキシドールを混ぜて、たくさん泡がでれば、カタラーゼがたくさんあることになります。
 反応の式で書くと、
 2H2O2 → O2 + 2H2O
となり、過酸化水素は、1つは酸化され、1つは還元されるという反応になっています。ですから、酸化還元の実験をしていることになります。この反応は、カタラーゼ以外にも二酸化マンガンなどの無機物でも起こります。生物以外でもいろいろと反応するか調べてもおもしろいかもしれません。
 過酸化水素は、人間にとっては非常に有害なもので、特に目に入ると失明のおそれがあるので、くれぐれも注意して実験してください。


(TM) 2005/08/10