Q141★レモンの汁で紙に文字や絵を書いて火であぶると文字がや絵が出てくるのはなぜですか?


 ご質問にあるレモン以外でも,ミカンあるいはその他のくだものの汁であぶり出しができます。
同じように木の枝や枯れ草などを燃やしたあとに残る灰を水に溶いたもの(灰汁,アクと読みます)でも,おなじような現象を認めることができます。
 くだものの汁ではわかりにくいのですが,灰汁ははっきりしています。灰汁にはカリウムなどのイオンが含まれています。
カリウムイオンは紙が燃える(酸化ですね)を促進する働きがあります。普通,紙は290 ℃くらいで燃え始めますが,紙に灰汁を塗った部分は,それよりも低い温度で酸化し炭になったと考えることができます。
このとき,カリウムイオンが存在する部分のみが炭になったため,あぶり出しでは褐色もしくは黄色く字や絵が浮き出してくるのです。
 このことは角砂糖を燃やしてみると確かめることができます。角砂糖をピンセットなどでつまみ火の中に入れても,炎があたっている部分だけが焦げるだけですが,灰汁をどれかの角に塗っておくと炎を上げて燃え出します。
 くだものの汁の中にも灰汁と同じように,微量ですがカリウムなどのイオンが含まれているためにあぶり出しをすることができます。
なお,火を使いますので必ず大人の人と一緒に実験し,やけどに注意して下さい。
また,燃えだしたときのために洗面器などに水をはってすぐ横に置くようにして下さい。


(RN) 2005/08/19