Q152★墨の落とし方の実験をしています。(1)大根おろしで洗う。(2)すりつぶしたご飯粒で洗う。(3)漂白剤(塩素系・酸素系・弱アルカリ性)で洗う。(4)歯磨き粉(研磨剤有・無)で洗う。この4つで実験しました。それぞれ墨をつけてすぐ上にのせるようにして5分後に洗いました。結果は次のようになりました。(1)布いっぱいに墨が広がった。(2)は墨をつけた部分が薄くなって近くで見ると見える程度に落ちた。(3)は塩素系→布に広がって落ちていない、酸素系→大体落ちた、弱アルカリ性→酸素系よりは落ちてないけどまぁまぁ落ちている。(4)は研磨剤有はきれいに落ち(ほとんど)、研磨剤無は落ちずに広がった。なぜ酸素系漂白剤・弱アルカリ性漂白剤・研磨剤有の歯磨き粉・ご飯粒は落ちて、それ以外は汚れが広がってさらにひどくなったのでしょうか? 漂白剤は、色の付いたものを酸化することで色がないものに化学反応で変化させるというのが、本来の働きです。そのため、有機物やカビなどの汚れには有効です。しかし、墨は、炭素の粉からできているので、炭素の粉は酸化されても、色が簡単に消えるわけではありません。そこで、漂白剤によって墨の汚れが落ちた場合でも、酸化反応によっているわけではないと思います。弱アルカリ性の漂白剤は界面活性剤の働きで墨が落ちたのではないでしょうか。 研磨剤は、微粒子で墨を物理的に洗い流すことができ、また、ご飯のデンプンなどは、粘着性なので墨の微粒子をデンプンに引き寄せることで墨の汚れを取ることができます。 大根おろしは、界面活性剤も研磨剤もデンプンも含まれていないので、墨の汚れが落ちなかったのでしょう。 中高生のQ82にも似た質問があるので参考にしてください。 (MH) 2005/08/29 |