Q160★高校の化学の実験で硫酸銅溶液の蒸留の実験をしたのですが、硫酸銅水溶液を枝付フラスコに沸騰石と一緒に入れバーナーで燃やしリービッヒコンデンサーを通り蒸留水になっていました。(1)なぜ蒸留水になったんですか?
(2)実験をしていない状態で硫酸銅溶液に塩化バリウムを入れると青くなり、アンモニア水を入れると白くなるのは何でですか?
(3)沸騰石を入れると突沸をを防げるのは何でですか?



(1)硫酸銅の水溶液には、硫酸イオン、銅イオン、水が含まれています。これを加熱すると、気体になるのは、水だけです。水の気体(水蒸気)がリービッヒコンデンサーで冷やされると、水の液体に戻ります。その結果、純粋な水(蒸留水)が得られます。

(2)硫酸イオンと銅(II)イオンの確認反応ですが、実際は、「硫酸銅水溶液に塩化バリウムを入れると白くなり、アンモ ニア水を入れると青くなる。」という現象が起こるはずです。その理由は次のようになります。

1.硫酸銅水溶液に塩化バリウムを入れると、硫酸バリウム(BaSO4)の白色沈殿が生じます。

2.硫酸銅水溶液にアンモニア水を入れると、まず淡い青色の水酸化銅(II)(Cu(OH)2)が沈殿し、さらにアンモニア水を加えると濃い青紫色のテトラアンミン銅(II)イオン([Cu(NH3)4]2+)を生じて溶けます。ただし、最初の沈殿の色は淡いので、白濁したように見えるかもしれません。

(3)沸騰石を入れると突沸を防げる理由ですが、沸騰石には、小さな孔が空いていて、空気が入っています。沸騰が起こると、水の内部から、水蒸気が出始めますが、全く気体のないところに突然気体を作り出すのはむずかしく、なかなか気体にならずに温度が100℃を超えてしまって、突然沸騰するという現象(突沸)が起こります。沸騰石があると、空気が液体のなかにあるので、そこからスムースに水蒸気ができて、穏やかに沸騰させることができます。なお、温度が高い状態で沸騰石を入れると突然沸騰が起こって大変危険なので注意しましょう。


(MH & TM) 2005/09/27