Q181★なぜFeとかのイオン式は複数存在するのでしょうか? 教科書を見ると価数が違うためとありますが、価数というのは電子が入ったり逃げたりした数と書いてあり、それが同じ鉄でなぜ数がちがうのかわかりません。 鉄がイオンになるときに、2個の電子がとれてFe2+となる場合と3個の電子がとれてFe3+になる場合があります。これは、(1)鉄という元素の都合(性質)と、(2)どのような物質が鉄から電子を奪うかということ、の2つの要因を考えないといけません。 (1)の元素そのものの性質ということでいうと、たとえば、ナトリウムなどのアルカリ金属は、1個の電子を渡して1価のイオンになりやすいですね。鉄の場合には、2個または、3個の電子がとれやすい性質を持っています。 (2)の電子を受け取る相手のことは、鉄とその相手の原子(分子)との間で電子を奪い合うということです。大変電子を受け取りやすいものであれば、鉄はFe3+になりやすいですし、電子を受け取りやすさが中程度ならばFe2+となります。電子の受け取りやすさは、酸化力の強さということになります。このような電子の受け渡しは、酸化還元電位という量でもう少し厳密に話をすることができます。このあたりは、大学などに行くと勉強すると思います。 (TM) 2006/06/23 |