Q194★シュバイツァー試薬の作り方は、どの資料を見ても硫酸銅から作られていますが、実際は水酸化銅にアンモニアを混ぜたものなのにどうして硫酸銅から作っているのですか?

シュバイツァー試薬としての重要な成分はテトラアンミン銅錯イオン(U)([Cu(NH3)4]2+)であり、硫酸銅(U)(CuSO4(U)・5H2O)を濃アンモニア水に溶かせばテトラアンミン銅錯イオン(U)が生成します。水酸化銅(U)(Cu(OH)2)は生成方法によっては、塩基性塩を含んでいたり、ゲル状であったり、加温により酸化銅に変化したりします。そこで、固体の水酸化銅(U)をアンモニア水に溶かすのではなく、硫酸銅(U)を直接濃アンモニア水に溶かしてテトラアンミン銅錯イオン(U)を生成させ、後で水酸化ナトリウム水溶液を加えると、結果的にその溶液の組成は水酸化銅(U)を硫酸ナトリウム(Na2SO4)を含んだアンモニア水に溶かした溶液と同じになります。

(FT) 2006/07/24