Q220★黒色が光をよく吸収して温度が高くなることは知っていますが、そのしくみがわかりません。また、赤や緑、青、黄色ではどうなのでしょうか?

 色がついた物質が光を吸収するしくみですが、どのような物質も原子からできていて、原子は、プラスの電気を帯びた原子核とマイナスの電気を帯びた電子からできているということを聞いたことがあるでしょうか。物質に光があたると、直接影響を受けるのは、原子核ではなくより軽くて動きやすい電子の方です。電子が激しく揺り動かされて、光のエネルギーを吸収します。この状態のときには、まだ、温度が上がっているわけではありません。激しく運動している電子が、もとの静かな状態に戻るために、そのエネルギーを、原子核の運動のエネルギーなどに変えていきます。そうなると、物質の温度が上がることになります。温度が高いというのは、原子が激しく運動している状態のことです。黒色というのは、いろいろな色を全部吸収する場合の色で、光の波長が長いものから短いものまでを吸収することができるので、たくさんのエネルギーを光から受け取ることができます。一方、赤色の物質は、波長の短い光だけを吸収できるので、吸収しきれない長い波長の赤色の光を反射して、赤くみえます。この場合も、光の一部を吸収するので、やはり、温度が上がります。緑、青、黄色なども、一定の波長の光を吸収するので、やはり、温度が上がることになります。しかし同じ光をあてた時、黒色以外の場合は全部の色を吸収する黒色に比べて、温度の上がり方は穏やかになると考えられます。

(TM) 2006/08/18 - 2020/01/24