Q227★どうして生石膏は水につけると硬くなるのですか? また生石膏におきている化学反応は何ですか? まず、石膏とは何かということを考えてみます。 石膏は硫酸カルシウムであり、結晶水の有無により、数種の形があります。 天然に産出するものには、結晶石膏(CaSO4・2H20)、無水石膏(CaSO4)の2種類があります。 結晶石膏(CaSO4・2H20)を加熱すると、空気中で約100℃前後から150℃で3/4の結晶水を失い、焼石膏(CaSO4・0.5H20)となり、180℃以上でさらに残りの1/4の結晶水も完全に失い、可溶性無水石膏となり、230℃以上では天然の無水石膏と同様になります。 身近に石膏として見かけるのは、おそらく焼石膏(CaSO4・0.5H20)ではないでしょうか。良質の焼石膏は、陶磁器の型、美術用、歯科用に用いられます。 さて、ここでご質問の生石膏ですが、結晶水が全部、または一部失ったものとして、無水石膏、又は焼石膏として考えます。 そうだとすれば、お尋ねの件は以下のように考えられます。 つまり、無水石膏なり、焼石膏なりが水と反応し、安定な結晶石膏になる反応です。 CaSO4 + 2H20 → CaSO4・2H20 又は CaSO4・0.5H20 + 1.5H20 → CaSO4・2H20 どちらの反応も、発熱が見られますし、結晶石膏(CaSO4・2H20)となって固まります。 ちなみに、生成した結晶石膏は水にはほとんど溶けません。 セメントの固化とよく似ています。 (HN) 2006/08/22 |