Q257★廃油石鹸を作る際に、新しい油ではどうしてうまくいかないんでしょうか? また、新しい油を一度加熱した後、それを冷まして油を作ろうとしたのですがうまくいきませんでした。これは揚げるものと何か反応があって石鹸が出来る何かに変化したと言うことなのでしょうか?


廃油石鹸というのは、油と水酸化ナトリウムとから作ると思います。油の主成分は脂肪酸はエステルという分子で、これが水酸化ナトリウム水溶液と反応すると、脂肪酸塩とアルコールとに変化します。石鹸としての性質は脂肪酸塩が示します。
ここで問題なのは、油は水酸化ナトリウム水溶液とほとんど混ざらないことです。新しい油は純粋なエステルなので、2つのものが混ざらず、なかなか石鹸ができません。古い油は、一部脂肪酸とアルコールへの分解が進んでおり、脂肪酸は水酸化ナトリウム水溶液によく溶けるので、少し石鹸ができます。石鹸が少しでもできると、石鹸は油と水を混ぜる作用(乳化作用)があるので、油が水酸化ナトリウム水溶液に溶けるようになって、化学反応が起こりやすくなります。廃油の場合、劣化により遊離脂肪酸ができることを「酸価が上がる」といいます。新しい油を一度加熱したとありますが、おそらく加熱時間が短いのではないかと、推測されます。20時間ぐらい加熱した後、反応を行えばおそらくできると思います。また、揚げるものと石けんへの反応は、関係ないと思います。

(DO) 2006/11/15 - 2020/01/24