Q271★どうしてドライアイスを入れた筒を押すとスーッと流れるように走るみたいに見えるのですか? また学校ではこれは抵抗の実験で摩擦の無い状態を表すときに使ったのですが、なぜ摩擦が無くなるのですか?


 ドライアイスは二酸化炭素(分子式CO2)が固まってできた固体で、我々の生活している大気圧では液体にならず、室温ではすぐに気体になってしまいます。このことを「昇華」といいます。
筒の中に入れたドライアイスは、室温では「昇華」して空気よりも比重が大きな二酸化炭素になりますので、この二酸化炭素は下に向かって流れ出ようとします。すると地面と接しているところからもどんどんガスが発生しますから、地面とドライアイスとの間には薄い二酸化炭素の層ができます。そうすると、ドライアイスが地面から少し浮き上がったような状態になり、地面との間の摩擦が非常に小さくなります。このため、ドライアイスは滑るように動くことになるわけです。
なお、ガスが物体の下から吹き出して摩擦を減らす技術は、海上輸送でもホバークラフトなどで利用されています。また、ガスの流れる方向は逆ですが、エアホッケーも同じように地面からガスを吹き出してパックを浮かせて非常に滑りやすくしています。

(MM) 2007/08/06