Q286★「10円玉の汚れをきれいにする」という実験をしました。10円玉にソースと醤油、ケチャップ、マヨネーズをかけて1時間くらい待ち、実験の変化をみてみるとなぜか10円玉が黒くなっていました。なぜ黒くなったのかのでしょうか。あと、この実験をするうえでのポイントなどがあったら教えてください。


まず10円玉の色が変わる原因はいろいろ考えられますが、大きく分けて、10円玉自体の表面が酸化されたこと(さび)と、人の手あか(有機物)による汚れとによるものがあります。したがって10円玉をきれいにするにはこの二つの原因を取り除く必要があります。
まず、さびの汚れを落とす方法から説明します。さびの主成分は銅と酸素との化合物や銅と硫黄化合物で、これらは酸(お酢の主成分である酢酸などを総じて酸と呼びます)により溶かして除去することが出来ます。例えばレモン汁、梅干し、マヨネーズなどには酸が含まれているのでこれらでさびは除去できます。
次に人の手あかを取り除く方法について説明します。その主成分はあぶら分とタンパク質で、これらは非極性溶媒、または洗剤などで取り除くことが出来ます。
それでは今回行った実験について考えてみます。
先ほども例にあげましたがマヨネーズやソース、ケチャップには酸が含まれるため、それぞれ混ぜずに使えば汚れの原因の一つであるさびを除去できるので綺麗になるはずです。しかし混ぜたもののなかに酸化剤(さびを作るのを促進するもの)が含まれていたりすると10円玉の表面は黒くなってしまうことはあります。
杉本さんのように色々な物質(ソース、醤油、ケチャップ、マヨネーズ)を混ぜてしまうと、何が原因で黒くなったのかわからなくなります。
次のような方法で実験を行うといいと思います。
1)10円玉を4枚用意する。
2)その4枚を家庭用洗剤できれいに洗浄する。(手あかの除去)
3)4枚それぞれにソース、醤油、ケチャップ、マヨネーズを混ぜずに別々にかけて数時間放置する。
4)ソース、醤油、ケチャップ、マヨネーズをそれぞれ綺麗にふきとる。
なお、10円玉をきれいにする実験については、小学生の質問コーナーQ12Q49Q120、中・高校生の質問コーナーQ122に回答がありますので参考にしてください。


(SI) 2007/08/28 - 2020/01/24