Q298★水の凝固点は0℃で、食塩等を加えると、凝固点は低くなることが理解できましたがある液体とある物質を混合させて、常温(20℃前後)位で氷のように凝固するような実験をしたいと思っています。(チョコレートのようなものではなく、サラッとした水のような液体で凝固するときは氷のように固まるようなもの。)実験に使う物質としてアドバイスがありましたら教えてください。


 “融雪剤”としてよく使われるものに、塩化カルシウム(分子式:CaCl2)という分子があります。水に少し溶かした場合の凝固点降下が大きいために、雪を融かす“融雪剤”に使われます。一方、この塩化カルシウムは、水にものすごくたくさん溶けます。重さの割合で、水:塩化カルシウムが1:1くらいまでは完全にとけて、非常に濃い水溶液になります。逆にこの場合は、30度付近で固まります。冬場になると、水に溶かしてかき混ぜるとシャーベット状の結晶が自然に出来ます。ただし、一度溶けた塩化カルシウムの溶液は、静かにおいておくと、凝固点以下の温度になってもなかなか固まりません。これは、一度溶けたものが結晶になるときに水溶液の中の構造が大きく変わるため、その変化を起こすためにエネルギーを必要とするからです。なお、塩化カルシウムはホームセンターなどにも売っていることがありますが、フレーク状になって、大きな袋に入っていることが多いため、使いづらいのが普通です。学校で実験ができるのであればその方がよいと思います。無害ではありますが、目に入ると危険ですので、保護めがねを必ず着用して実験を行なって下さいね。

(MM) 2007/11/12