Q305★寒天、こんにゃく、又はゼラチンをレモン汁などの酸でも固まらせる方法はありますか? あと、お店で売られている「こんにゃくゼリー」ですが、あれはこんにゃくが原料なのでしょうか?
また、それと同じようなものを作ってみたいのですがそれは可能でしょうか? もしできたら作り方を教えてください。 まず一つ目のご質問についての回答です。ゼラチンや寒天を加熱して溶かし、レモン汁などの酸を入れると、ゼラチンや寒天の成分であるタンパク質や多糖類の構造が変化したり、加水分解したりしてしまうので固まりにくくはなりますが、溶かす時の温度や時間、入れる酸の量をうまく調整すれば、固めることはできます。 ゼラチンの場合は、40-50度ぐらいのお湯で溶けますので、溶けたところに酸をさっと加えて冷やしてやれば通常は固まります。主成分のタンパク質は、寒天の主成分である多糖質に比べれば酸に対してまだ安定で、かつ低めの温度で扱えますので、 そこまで神経質になることはありません。 寒天の場合は水を加えて、沸騰させないと溶けません。さらに、主成分の多糖類は酸でかなり加水分解を受けやすいので、ゼラチンに比べると注意が必要になります。溶けた後の寒天液を冷ましている途中に、固まるか固まらないかぐらいのタイミングをうまく見計らって酸をくわえてやると良いでしょう。 あまりに多くの酸をいれたり、強い酸を入れたり、長い時間高い温度で処理してしまったりすると、タンパク質・多糖類の分解がかなり進行してしまうなどして、固まらなくなってしまいます。酸の種類、量(あるいはpH)、入れた時の温度と時間をいろいろ変えてやって、固まりやすさがどのように変わるのか、ゼラチンと寒天を実験で比較をしてみると面白いと思います。ぜひ調べてみてください。 なお、コンニャクについては、原料のコンニャク芋(あるいは精製されたコンニャク精粉)を炭酸ナトリウムや消石灰などでアルカリ性にして固めます。ですので、酸を入れて酸性にしてしまうとコンニャク粉だけで固めることは難しくなります。 二つ目のご質問に関してですが、コンニャクゼリーは,通常,アガー(または寒天)とコンニャク精粉(コンニャク粉,コンニャクパウダー)を混ぜて固めて作られます。コンニャク精粉を手に入れることができれば簡単に作ることができます。実際の製品には、それらの他、味付けのための砂糖、ぶどう糖、果汁、ゲル化剤などいろいろなものが入っています。各製品の原材料については、各メーカーのHPに掲載していることが多いので、そちらをご覧いただければと思います。 (SY) 2008/06/24 |