Q308★一般的に脂肪が少なくて硬いと言われる豚もも肉、鶏むね肉、牛もも肉がどのようにすればやわらかくなるのかを調べるために、それぞれ約1時間ぐらい様々なものにつけて寝かしておきました。 結果としては 豚もも肉は 塩、ビール、大根おろし、 鶏むね肉は 蜂蜜、塩、サラダ油、おろし玉葱、ビール、 牛もも肉は 塩、蜂蜜、酒、大根おろし、ビール がよくやわらかくなりました。理由を調べてもあまり詳しく理由がでていませんでした。どうしてやわらくなるのですか? それぞれに含まれる成分と何か関係があるのですか?

肉の硬さは,筋肉と筋,筋肉どうしのつながりの強さや肉が水を保つ性質(保水性)で変化します。筋肉を構成しているタンパク質が変質したり分解されて筋肉と筋,筋肉どうしのつながりが緩んだり,また,保水性が上がると肉はやわらかくなります。

食塩は,筋肉にとけ込みやすく,とけ込むと筋肉の組織がゆるみます。筋肉の組織がゆるむと水を保持できる空間が増し、保水力が向上します。また,筋肉を構成しているタンパク質が溶け出しやすくなり,肉がやわらかくなります。

アルコール類は肉を酸性状態にします。筋肉は酸性状態においてもその組織がゆるみ,保水性が向上します。また,酸性状態では,内在する酵素が筋肉のタンパク質に作用し,肉をやわらかくします。

大根やタマネギは,それぞれがタンパク質を分解する酵素を持っています。これが筋肉を構成しているタンパク質に作用するので,肉をやわらかくします。

はちみつは,その主成分であるブドウ糖と果糖が筋肉を構成しているタンパク質とくっつきやすく,筋肉に入り込み,肉が収縮して硬くなるのを防ぎます。

サラダ油は,肉に浸透することで肉が持っている油分と溶けあいます。すると筋肉を形成する繊維がほぐれて,やわらかくなります。

このように,肉に対してそれぞれが異なった働きをして,肉をやわらかくしています。

(MH) 2008/08/18 - 2020/01/24