Q320★空気中で紙が燃え始めると、その後は燃え続けることが多いのですがなぜですか?

 光と熱の発生を伴う化学反応のことを燃焼といいいい、一般には可燃物質と酸素との反応で起こります。燃焼が続くためには、次の3つの条件が同時に成り立つ必要があります。
 1) 燃える物質がある。
 2) 酸素の供給がある。
 3) 物質の温度が発火点以上である。
 物質が燃焼するときに発生する熱エネルギーがその物質の発火するのに必要なエネルギーを上回っていれば、燃焼が持続します。グルコースが燃えるとき燃焼熱を発生すると学んだと思いますが,紙が燃えるときにも燃焼熱を発生します。
そのため,一旦燃え始めると、可燃物質(紙)がなくなるまで、あるいは酸素がなくなるまで燃え続けることになります。
 もし,酸素の供給が減ると、燃焼が遅くなり,燃焼の連鎖に必要な熱を供給することができなくなるため,燃え続けられなくなります。また,水をかけると温度を下げるため,やはり燃え続けられなくなります。

 ちなみに,紙もろうそくと同じで,燃えるときには、「気体になって」燃えます。すなわち,紙は着火源の熱によって分解してメタン等の低級炭化水素やCO, H2などを放出し,そのガス(可燃ガス)が燃えるのです。そのガスの燃焼熱によって,さらに紙が分解してガス化を起こし,燃えるというサイクルで燃え続けます。したがって,紙が燃え続けるためには,紙を分解してガス化するための高温の状態を保たなくてはならないのです。"

(SS) 2009/02/16 - 2020/01/24