Q352★｢炭酸フルーツ｣には、どのような形で浸透圧の原理が使われているのですか。 再生セルロースなどの半透膜（溶媒分子を通すが溶質分子は通さない膜）を挟んで 液面の高さが同じ純溶媒と溶質を溶かした溶液がある時，膜を通りやす い純溶媒が溶液側へ浸透します。 溶液側に圧力をかけて純溶媒 の浸 透を阻止できる圧力を浸透圧と言います。 炭酸フルーツを作る場合は，果物の皮を挟んで内側には甘い成分が溶けた果汁，外には炭酸水となるわけです。浸透圧が低いものが膜を通りやすい 性質がありますので，浸透圧が低い炭酸水は果物の皮を通り抜け果物の中に入り込み，しかし浸透圧の高い果汁は皮を通り抜けて外に出ていくことができません。その結果炭酸でジュワーとしていても甘さは同じ炭酸フルーツができます。 浸透圧の大きさは濃度や温度などの条件で変わりますが，一般的には水に溶けてい る溶質が大きければ高くなり，量が多ければ高くなります。 果汁に含まれている糖分は炭酸水に溶けている二酸化炭素より大きさも大きく，水に溶けやすい性質もあって量も多いので，果汁のほうが浸透 圧が 高いと言えます。 (MT & TN) 2014/11/10