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Q383★酸素の確認方法について学校で学びましたが、先生によって線香の火を入れる方法が違うため教えてください。
A先生:線香に火を付け炎がついたまま、酸素を貯めた試験管に線香を差し込んで炎の大きさを見て確認する。
B先生:線香の火を付け炎を消して、酸素を貯めた試験管に線香を差し込んで炎が出て燃え上がることを確認する
A先生の確認方法であれば、マッチの火を入れることと同じではないかと疑問に感じました。またテストで酸素の確認方法は「線香の火」と書き、「マッチの火」と書かないことも疑問に思いました。


マッチやライターなどは炎を出しながら燃えます。このような燃焼を「有炎燃焼」といいます。
これらの炎を使って線香の一端に着火したとき、炎が出ている有炎燃焼の状態ならば、手で扇ぐなどして風を送り、炎を消します。
この線香を直立させておくと、着火した先端は赤熱状態で継続的に燃焼し、空気(酸素約20%)中では線香が燃え尽きるまで燃焼は続きます。
このような炎を出さず、赤熱しながら燃える燃焼を「無炎燃焼」または「燻焼(くんしょう)」といいます。

さて、線香の火は酸素気体の確認方法としてよく用いられます。

【B先生の方法】
無炎燃焼中の線香を酸素気体中へ挿入した場合、次の①または②のような変化が起きます。
 ①有炎燃焼へ変化する
 ②無炎燃焼の速度が大きくなる
通常は①になり、変化は分かりやすいのですが、もし、②になった場合は、はっきりとは分からない可能性もあります。このため、
【A先生の方法】
有炎燃焼中の線香を酸素気体中へ挿入して、③を確認するという方法もあり得るでしょう。
 ③有炎燃焼の炎が大きくなる

なお、有炎燃焼中のマッチを酸素気体中へ挿入して、有炎燃焼の炎が大きくなることを確認することは避けるべきです。
なぜなら、マッチの持ち手部分は短く、大きくなる炎で火傷をしてしまう危険があるからです。
このため、マッチより長く安全な「線香の火を用いる」とテストでは答えることになっていると考えられます。
線香は折れやすいですが、実験では折れていない長い線香を使用しましょう。

中1 (TK) 2020/12/01