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Q386★硝酸についての質問です。僕が読んでるマンガには、硝酸という液体がでてくるのですが、学校の授業では硝酸カリウムという粉末の固体でした。他にも硝酸がつく物質がありました。それらの硝酸がつくものはどういう関係ですか。


硝酸はHNO3という化学式で表され、室温では液体です。硝酸や、硝酸を水で薄めた硝酸水溶液は、強い酸性を示します。酸性の硝酸水溶液と塩基性の水溶液、例えば水酸化カリウム(KOH)水溶液を混ぜると、中和と呼ばれる反応が起こります。この時、硝酸イオン(NO3-)とカリウムイオン(K+)から硝酸カリウム(KNO3)が生成します。
HNO3 → H+ + NO3-
KOH → K+ + OH-
HNO3 + KOH → KNO3 + H2O
生成した硝酸カリウムは水に溶けますが、溶かすことができる量以上の硝酸カリウムが生成したり、水溶液を冷やしたりすると沈殿ができます(100 gの水に溶ける物質の質量を溶解度と言い、溶解度は水溶液の温度によって変化します)。この沈殿を乾燥させたものが、質問者さんが授業で見た硝酸カリウムの粉末です。硝酸カリウムを水に溶かした水溶液は中性です。
 水酸化カリウム水溶液の代わりに水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液を使うと、硝酸ナトリウム(NaNO3)が生成します。中和によって生成する硝酸カリウムや硝酸ナトリウムのことを(えん)と呼びます。つまり、硝酸は酸で、硝酸カリウムや硝酸ナトリウムは硝酸を中和して得られる塩です。硝酸から生成する塩(硝酸塩)には、硝酸マグネシウムや硝酸カルシウムなどもあります。


中1 (ES) 2021/02/02