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Q399★コンクリートはどのような原料から作られ、またどのような反応の段階を踏んで固化するのでしょうか。そしてコンクリートの硬さの要因は共有結合によるものなのか、それとも分子間力によるものなのでしょうか。コンクリートは長い年月をかけて液体のように振る舞うそうなんですが、その過程の微視的な様子はどういった風に説明されるのでしょうか。


コンクリートは主にセメント、水、骨材、混和剤から構成されています。
コンクリートが固化するのは、セメント粒子と水の水和反応による水和物の生成が起因と言われています。

その水和物同士は分子間力で繋がっていることから、ご質問の選択肢としては分子間力により強固な構造を形成していると言えます。
なお、通常分子間力は共有結合より弱い力ですが、分子間距離が近いほど強くなりますので、コンクリートのように密接かつ接触表面積が大きくなる位置で多点の相互作用を有することで、分子間力は大きくなり強固な構造に繋がっていると考えられます。

一方で、コンクリートの主成分の一つであるケイ酸、アルミナはガラスの主成分と同じ化合物です。
一般的に物質は規則的な構造を取ると結晶性を持ちますが、ケイ酸やアルミナのような化合物は不規則な構造を形成し、粘性の高い液体のような挙動を取る場合があります。これを非晶質(アモルファス)と言います。
(例えばガラスは高熱にするとドロドロになり、息を吹きかけて固める映像をご覧になったことがあるかもしれません)

そんな非晶質の化合物は長期的には地球の重力の影響などを受けて、微視的な挙動として分子間力にずれが生じ、コンクリートの強度にも影響を及ぼすことがあると考えられます。

お答えになっておりますでしょうか?

今回、コンクリートに興味を持たれたのはどういったきっかけかわかりませんが、このように世の中を取り巻く様々な素材に幅広く興味を持っていただき、これからも様々な分野で学んでいってほしいと思います。

高3 (SM) 2022/6/6