Q4★パソコンを使いメール(文字)を送れますが、どうして電波だけで文字や画像、音楽などが送れるのでしょうか。パソコンや携帯電話などの電波について教えて下さい。


 音や映像を電波で送るには、音や映像をマイクやビデオカメラで電気信号に変換し、これを搬送波に乗せ、アンテナから電波として発信します。この電波を受信用のアンテナでキャッチし、搬送波から分離した音や映像の電気信号をスピーカやディスプレイで音や映像にもどします。「信号を搬送波に乗せる」ことを変調、その逆を復調と呼びます。変調方式としては、電波の振幅、振動数、位相やその組み合わせ等を基準値から変動させる方法があり、その変動値に音や映像の信号を取り込みます。
 音は空気中を音波として伝わります。音波は空気の密度の時間的変動が空間中を伝わっていくもので、そのとき空気の密度の値は連続的に変化するアナログ量です。映像も光の波として空間中を伝わるアナログ量です。アナログ信号をそのまま変調して送る方式をアナログ伝送と呼びます。従来のラジオやテレビの電波がこの方式で行われてきました。この場合、伝送の途中で雑音の影響を受けやすく、ラジオの音やテレビの画像の乱れが生じます。これに対して最近では音や映像のアナログ信号を不連続の数値データであるデジタル信号に変えて送るデジタル伝送方式がとられるようになってきました。具体的には時間的に変化するアナログ量の値を短い時間間隔で数値として読みとることにより、デジタル量に変換します。逆にデジタル量をアナログ量にもどすには離散的なデジタルデータを滑らかにつなぐことによりもどすことができます。数値は一般に2進法では[0],[1]の組み合わせで表すことができます。従って、デジタル伝送では例えば周波数変調の場合、高い周波数と低い周波数の2種類を使い、[1],[0]に対応させて変調します。そのため周波数が多少乱れても高い周波数が低い周波数として、すなわち[1]が[0]と読みとられる危険性は大変低くなります。これに対してアナログ伝送では周波数の値そのものが信号なので信号が乱れる可能性が大きいのです。最近の携帯電話はデジタル伝送方式がとられています。また、BSデジタル放送などのデジタル伝送方式による放送も広がってきています。パソコンの場合、もともと内部の処理はデジタル信号で行われており外に対してもデジタル伝送方式がとられます。パソコンでメールなどを送る場合、インターネットとの接続に携帯電話を介して行う場合は電波ですが、一般には地上回線(電話回線やイーサーネットケーブルという光を信号に用いるケーブル)が利用されています。なお、この答えに関してさらに質問があれば、遠慮なくどうぞ。


(SK) 2002/08/07