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Q421★野菜を切って放置しておくとビタミンCが減っていくという話をよく耳にしますが、ビタミンCはどこに行ってしまったのでしょうか? 野菜を洗うとビタミンCが水に溶けてしまうというのはわかります。しかし、水に漬けるわけでもなく、切って放置しているだけで減るというのが理解できません。空気中に飛んでしまったとか、または切った途端に酸素か何かと反応して、ビタミンC以外の別の物質に変換され、ビタミンCとして扱われないとかでしょうか?


野菜を切って放置しておくとビタミンCが減少するのは、主に酸化と光分解によるものです。

酸化: ビタミンC(アスコルビン酸)は酸素と反応しやすい物質です。野菜を切ると細胞が破壊され、内部のビタミンCが空気に触れる面積が増えます。これにより、酸素と反応して酸化し、デヒドロアスコルビン酸などに変わります。デヒドロアスコルビン酸は体内で還元されるとビタミンCに戻るため、ビタミンCの作用を持ちますが、加水分解によりさらに分解が進むと2,3-ジケトグロンサンとなり、ビタミンCの効力を失います。
光分解: アスコルビン酸は光(特に紫外線や高エネルギーの可視光)を吸収します。このエネルギーの吸収によって、励起されたアスコルビン酸分子は、酸素分子と反応して、より速く分解反応が進行します。

これらのプロセスによって、野菜に含まれるビタミンCの量が減少するのです。ビタミンCが「どこに行ってしまうか」というと、酸化や分解によって化学的に変化し、元のビタミンCとしての働きを失うため、体に吸収される際にビタミンCとしての機能を果たせなくなります。


中2 (TA) 2024/08/19