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Q428★最近一部の通販サイトで売られているものから鉛やカドミウム、ホルムアルデヒドなどの有害物質が基準量を超えて検出されたというニュースを時々見ます。こういったものに対して"肌に触れることを避けよう"みたいな意見を度々見るのですが、新型コロナウイルスの接触感染のような"触れた手や触れたもの"は考慮しなくて良いのでしょうか? ご質問ありがとうございます。いろいろな報道を見ていると、聞きなれない怖そうな化学物質の名称が出てきて不安な気持ちになりますよね。ニュースサイトを検索してみると、例えば通販サイトで基準量を超えたカドミウムや鉛が使用されたアクセサリーが販売されていた、という報道を見つけることができます。そのようなアクセサリーを常時身に着けていると、汗に少量ずつ有害金属が溶け出して体に吸収され、その結果健康被害が発生する、などという可能性は否定できません。 一方で、毒性があると言われている化学物質についても、ある程度以上の濃度を一度に摂取しない限りは、健康に影響はないことが一般的です。人体に悪影響があるかどうかは、摂取する量にも大きく依存するのです。例えば、水道水中に残存している鉛は0.01mg/L以下となるように法令で定められていますが、完全にゼロでなくてはならないというわけではありません。このような数値というのは毎日飲み続けても健康には問題のない基準値として安全を見越した非常に低い値となっています。言い換えると、たとえ一般的に毒性があると言われている物質であっても、極微少な量であれば摂取しても健康被害が起きる可能性は非常に低いと言えます。 ご質問にあった、有害金属を基準値以上含んだアクセサリーなどは、日常的に身に着けることで有害物質が少量ずつ体内に吸収される恐れがあるので、使用を控える必要があります。ですが、少し触れた程度であれば、健康に影響が出るような量がそこに残存してしまうことは考えにくいので、ご質問にあった"触れた手や触れたもの"については、必要以上に神経質になる必要はありません。 ただし、健康に影響を及ぼしてしまう最低量は物質により様々で、どの程度の量で健康に影響が出てしまうのかという正確な見積もりには、より専門的な判断が必要です。このあたりのことに興味があれば、以下のリンク先の情報が分かりやすく参考になると思いますので確認してみてください。 環境省ホームページ 「わたしたちの生活と化学物質」 https://www.env.go.jp/chemi/communication/guide/seikatsu/index.html 高3 (DT) 2025/05/12 |
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