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Q439★LC/MSという機器を使えば植物に含まれる薬になる成分などを調べることが出来ると教科書に書いてありました。どのようにして分子構造や式量、化学式を導き出すのですか?測定方法と計算方法などを知りたいです。

LC-MSは、液体クロマトグラフィー(LC)と質量分析計(MS)を組み合わせた分析機器です。LCは物質の分離に用いる機器で、複数の成分からなる試料を導入してもそれぞれの成分に分離することができます。MSは物質の分子量を測定する機器で、LCで分離された物質をイオン化し、生成したイオンの質量と電荷の比(m/z)を測定します。イオンはMS内で電場の中を通って検出器に到達します。その際、電場内におけるイオンの運動性がm/zによって異なることを利用して測定しています。ここで検出されるイオンの電荷がz=+1の場合に、m/zは分子量に相当します。
なおLC-MSは、試料に含まれる様々な物質の分子量を測ることができ、試料に何が、どのくらい含まれているか分析することができる有用な分析機器の1つです。しかし、この機器だけでは分子構造を解明することはできません。核磁気共鳴スペクトル、赤外線吸収スペクトル、X線結晶構造解析、元素分析など、様々な分析機器を用いて物質に関する情報を収集し、総合的に解析して分子構造を明らかにします。


高3(SS) 2025/10/31