Q47★臭化エチジウムは、なぜ発ガン性があるんですか?

中学3年生で、この様な点に疑問を持ったのは偉いですね。

回答の前に、発ガンとは何か、から簡単にお話します。
まず発ガンとは簡単にいうと、細胞の中の特定の遺伝子に変化が起き遺伝情報が変わってしまうことで、細胞がガン細胞へと変身することです。
この遺伝子とは、遺伝情報を担っている核酸と言われる物質で出来ています。
また、核酸は、はしごをひねってらせん状にした様な形をしています。はしごの各段が4種類の物質の組み合わせで出来ていて、その順序に意味があり、情報が隠れています。
次に、臭化エチジウムですが、この物質は細胞の中に入り込み、さらに先程の核酸のはしごの段の間に入りやすい性質を持っています。
はしごの段の間に物質が挟まってしまうと、このはしごの持っている情報を、細胞が増える時に複製(コピー)しようとした時、情報が誤ってコピーされてしまいます。
つまり細胞の持っている遺伝情報が変化してしまいます。
この変化が、先程の発ガンと関係のある部分であった時、その細胞がガン細胞に変化すること、つまり発ガンすることになります。
つまり、臭化エチジウムは、核酸に入り込むので細胞が発ガンすると言えます。

一般的にも、核酸にくっついたり、変化させたりする物質が、発ガン性をもつ(発ガン物質である)可能性があるということが分かっています。

(MK) 2004/05/03