Q53★身近な物を使って静電気を発生させるにはどうすれば良いのでしょうか。


静電気は普段の生活で、頻繁に体験できる現象です。例えば、冬の乾燥した日に衣服を脱ぐ時に、パチパチと音がしたり、衣服がからだにまとわりついたりすることがあります。また、下敷きを頭でこすってやり、ゆっくりと持ち上げると、髪の毛が下敷きに吸い上げられて逆立つなんてことは、私の子供時代にもよくやって遊んだものです。これらは、全て静電気(摩擦電気とも言う。)によるものです。

それでは静電気とはどの様なものでしょうか?ガラス棒やプラスチックを布や毛皮でこすると、ガラス棒やプラスチックが帯電します。これは、こすった物の間で電気の源である電子が移動することが原因となっています。電子は負の電荷をもっていますので、電子を受け取った物は負(−)に帯電し、電子を放出した物は負の電荷不足し正(+)に帯電します。

このことは、静電気の現象を少しばかり多様にします。物には電子を放出しやすい物と、電子を受け取りやすい物があります。同じ毛織物でこすったとしても、アクリル板と塩化ビニル板では、アクリル板では正(+)に帯電し、塩化ビニル板では負(−)に帯電します。この現象を利用して、普段では見られない静電気の現象の一側面を見てやりましょう。雑貨屋やホームセンターなどで、アクリル板と塩化ビニル板を購入して、細長い板を二つずつ用意しましょう。その端にセロハンテープを引っ付けてやり持つところを作ります。手には、ゴム手袋をしているとより良いでしょう。
適当な毛織物で、作ったアクリル板と塩化ビニル板をこすります。こすったアクリル板とこすった塩化ビニル板をセロハンテープの所を持って近付けてやるとどうなるでしょうか?今度は、こすったアクリル板同士、こすった塩化ビニル板同士をセロハンテープのところを持って近付けてやるとどうなるでしょうか?アクリル板と塩化ビニル板の間は引き付けあい、アクリル板同士、塩化ビニル板同士の間は反発しあいます。これは、違う符号の電荷は引き付けあい、同じ符号の電荷は反発しあうことに原因があります。

どうです?静電気も仕組みを理解すると、けっこう奥が深いでしょう?自分でもいろいろな物で試して調べてみると面白いかもしれませんよ。


(TO) 2004/06/20