Q58★死海のような湖で、生物が生きられなのはなぜですか?


どのような生物も細胞という小さな袋のようなものからできています。そのような袋が1つだけのものを単細胞生物、袋がたくさん集まってできているものを、多細胞生物といいます。細胞には、水が入っていますが、この水は海水とおなじくらいの塩分濃度になっています。細胞を死海のように塩分がたくさん入っている水にいれると、細胞の中の塩分の濃度と細胞の外の塩分濃度とがとても違うので、細胞の中の水が外に出ていくか、細胞の中に食塩が入っていくかして、細胞の中と外の食塩の濃度を同じにしようということになります。普通は細胞の外に水が出ていくことになります。水は生物にとって大変重要なもので、細胞の外に水が出ていくということは脱水状態になって生物は死んでしまうことになります。食塩は、生物にとってはなくてはならないものですが、多すぎると逆に害になるのですね。
このように塩の濃度が違うと同じにするように物質が移動することを、浸透圧といって、食塩水と真水とセロファン紙があれば、簡単に実験ができます。高校1年の化学で勉強します。
死海のようなところでも生きていける食塩が好きな変わり者のバクテリアもあります。好塩菌といって、細胞の袋が破れないような工夫をしています。100 ml の水に10 g 以上の食塩が溶けていた方が調子がいいという風変わりな生き物です。


-浸透圧の実験について-
浸透および浸透圧じたいは高等学校で勉強する内容ですので,かなりむつかしいと思います。
それでも,日常生活でいろいろと利用している現象であることを理解できれば,十分自由研究になると思います。
例えば、野菜の塩もみ
1.キュウリやキャベツの千切りしにしたものを適当量用意する。
2.おなじ量になるよう2つに分け,ボールなどの器に入れる。
3.片方はそのまま放置する。
4.もう一方は小さじ1杯の塩でもむ。
5.30分程度おいておき,器の底にたまった水の量を量る。
これも浸透圧の実験になります。
おいておく時間を変えたり塩の量を変えたり工夫ができるはずです。

インターネットで「浸透圧の実験」などのワードで検索すると、たくさんの実験が紹介されています。

これらのホームページにある実験器具は、家で用意できるもので代用することができます。たとえば、透析チューブはセロファン紙でも代用できると思います。水を通す膜でないといけないので、ビニル袋やサランラップなどはだめです。また、ブドウ糖液などを使う実験が多いですが、もちろん砂糖でもかまわないし、ほかのものもいろいろと試してみるといいと思います。
メスピペットやメスシリンダーなど専用のガラス器具をつかっていることもありますが、メスピペットはしっかりしたストロー、メスシリンダーはコップで代用できます。・・・・・

自由研究の実験となるかどうかですが、教えてもらったとおりに実験するのではなくて、自分でいろいろと工夫してやってみることが大事だと思います。
いろいろと工夫を重ねれば立派な自由研究になると思います。


(TM) 2004/07/28 - 2018/11/06