Q7★(1)身の回りのもので、ゾルのものを探しています。牛乳と墨汁は先生から伺い、分かったのですが、ほかには何がありますか? (2)粘性があるものはゾルといってもいいのですか? 例えば飲むヨーグルトや、オレンジジュース、油です。


(質問1への答え) 身近なものでは、万年筆のインク、ペンキ、泥水、白く濁った石鹸水、コーヒー、マヨネーズ、バター(とけた状態の)などでしょうか。
 ゾル(あるいはコロイド溶液)の定義は、分散媒中にコロイド粒子(分散質)が含まれている溶液ですので、分散媒が必ずしも液体でなくてもよいわけです。この定義に従えば、煙、霧、雲(分散媒が気体の場合)や、ステンドグラス(分散媒・分散質ともに固体)、軽石(分散媒が固体で、分散質が気体)、あわ(分散媒が液体で、分散質が気体)なども、ゾルと呼べなくもないことになります。上に挙げたゾルとは随分感じが違いますが。

(質問2への答え) 例を挙げられた中で、飲むヨーグルトとオレンジジュースはゾルと呼んでよいでしょう。しかし油はふつうゾルには分類されません。油も複数の分子が混ざった混合物ですが、分子がある程度の大きさのかたまりで混ざっているのではなくて、ばらばらで混ざっているので、ゾルの仲間に入れないのです。(これも、ゾルだとしますと、塩水や砂糖水もゾルに分類しなければならなくなります。)分子がある程度の大きさのかたまりで混ざっているかどうかという点が大事なわけです。
その違いを見分ける簡単な方法は、その溶液が透明かどうかを調べることです。油は透明ですので、分子がばらばらで混ざっていると判断するのです。上に挙げたゾルの例は、いずれも透明でないことに注目してください。分子がかたまりで混ざっている溶液は一般には粘性が高いので、多くのゾルは高い粘性を持っているといえますが、すべての高粘性の溶液がゾルというわけではありません。

(TS) 2002/08/28