Q79★さびって何なんでしょうか?オリンピックの銅メダルもさびるんですか? まず金属とは,というところから始めます。鉄や銅や金といった金属の板を思い浮かべてください。これらの板という固まりはそれぞれの原子だけからできています。鉄であれば鉄の原子,銅であれば銅の原子,金であれば金の原子ですね。金属の板はつくったばかりの時,表面にはその原子だけがかなり平らにならんでいます。だからきらきらと輝いて見えます。 しかし,鉄の板や銅の板は,しばらく空気中においておくと輝きがなくなっていきます(周囲の条件によって時間は変わります)。これは表面にさびができたからです。このさびはそれぞれの金属と空気中の酸素とがくっついたものということができます。難しくいうと酸化物とよばれている物質です。酸化物は板の表面で一様にできるのではなく,表面のあちらこちらで少しずつできていきます。したがって,金属表面にものすごく小さな酸化物の粒が散らばっているという状態になります。やがて,ごくごく小さな酸化物の粒が板の表面全体を覆うようになり,表面には小さな凸凹ができます。酸化物の性質(色やかたさなど)はもとの金属の性質とは違っています。ですから,きらきら輝くことがなくなるのです。 以上のことから,さびをふせぐには金属の表面が空気に触れないようにすればいいということがわかりますね。ペンキや樹脂を塗ったり,メッキをしたりという加工はこういう意味があります。銅メダルもたぶん表面に樹脂を塗ったりして,さびをふせぐ工夫がされていると思いますが,長い時間おいておくといずれはさびます。 なお,金は空気中の酸素とはくっつきませんのでさびません。銀も金に近い性質をもっています。 (RN) 2004/08/25 |