Q86★お酢と重曹を水の中に入れるとどうして炭酸水が出来るのでしょうか? お酢の主な成分は酢酸(さくさん)とよばれる(有機)酸で,酢酸の約4%水溶液ということができます。一方,重曹は炭酸水素ナトリウムのことで,炭酸水素イオンとナトリウムイオンからできている塩(えん)です。この炭酸水素ナトリウムは酢酸と反応することで,炭酸とナトリウムイオンに分かれます。 さて,炭酸水というのは,圧力をかけて二酸化炭素のガスを水に溶かしたもので,水中で二酸化炭素と水がくっつき炭酸となっています。そのため,ペットボトルのふたを開けて圧力が下がると,溶けていた炭酸が二酸化炭素になり,二酸化炭素のガスが泡となって出てきます。このあたりのことは小学生の質問コーナーQ34にくわしく書いてあります。 そこで,お酢(酢酸)と重曹(炭酸水素ナトリウム)を水の中に入れると,まず,酢酸と炭酸水素ナトリウムが反応して炭酸ができます。しかし,できた炭酸はすぐに二酸化炭素のガスにかわるため,二酸化炭素の泡がたくさんでて,炭酸水のように見えます。 炭酸水素ナトリウムから二酸化炭素ができる反応は温度が高くなっても(80 ℃くらい)おこります。その性質を利用して,重曹をベーキングパウダーとして焼き菓子を作るときに使うと,お菓子を焼くときに二酸化炭素のガスが出ることでふっくらとした焼き上がりになります。 (RN) 2004/08/31 - 2019/11/16 |