Q90★baseとalkaliの違いは何ですか?


 なかなか難しい質問です。
base(塩基)を考えるときには必ず,酸(acid)のことも考えないといけません。約100年前の考え方では塩基とは水の中でOHイオンを生じるものであり,逆に酸とは水の中でH+を生じるものでした。このような変化は必ず,両方が同時に存在しないとおこりません。さらに現在の考え方ではbaseとはH+を受け取るもの,酸とはH+を与えるものとかわってきています。このように表現はちがっていますが,中身はおなじことを説明しています。さて,baseとalkaliの違いですが,alkaliの方から説明していきます。alkaliのもともとの意味は草木を燃やしたあとに残る灰のことです。たとえば野山に生えている草木を燃やしたあとの灰には,主として炭酸カリウム(K2CO3)がふくまれ,また海藻を燃やしたあとには炭酸ナトリウム(Na2CO3)が主成分の灰が残ります。これらの灰を水の中にとかしていくと,最初に書いたような塩基としての性質を示します。そのために,昔の人たちは塩基の性質を示すものをalkaliと呼びました。ところがその後,塩基として作用するものが,灰以外にもたくさん見つかり,また,酸および塩基の正体も明らかになってきましたので,このような性質のことを塩基性,塩基性を示す物質のことを塩基と呼ぶようになったのです。したがって,塩基という場合の方が広く,alkaliは,アルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物(塩)など,水に溶解すると塩基性を示す化合物に限られて用いられる用語となっています。


(RN) 2004/09/20 - 2019/11/15