Q93★フェノールの検出反応で塩化鉄反応を用いますが、このメカニズムを教えて下さい。どのような構造をして色が呈するのですか? 高校生の質問コーナーQ36にありますように,この呈色反応に関しての詳細なメカニズムはわかっていません。 高校生の学習範囲を超えていますが,フェノキシドイオンからのFe(III)への電荷移動に基づく吸収と説明されています。 確実なことはフェノキシドイオン(フェノールから水素陽イオンが1つとれてできる陰イオン)が,鉄イオンと錯体をつくっているだろうということです。 この錯体の中に存在する電子は,可視光線の中で比較的波長が長いもの(赤っぽい色)を吸収しやすい状態になっていると考えられます。 この時,フェノキシドイオン,つまり元のフェノールの構造の違いによって吸収する光の波長が少しずつ異なるために,フェノールやクレゾール,サリチル酸など構造が少し変わることで異なった呈色になると考えられます。 この呈色反応のように昔から使われている,知られている反応でも詳しいメカニズムがわからないというものはたくさんあります。 将来,このような謎解きに挑戦してみてはいかがですか。 (RN) 2004/10/10 - 2019/11/15 |